それらをごぼう抜きにして競り上がってきている時間

この本がこんなに好きだったんだ。その後こんな風に思える小説を読んでいない気がする。 「火山のふもとで」が素晴らしかったのか、僕が探していたものがこの本の中にあったからなのか。どっちだろう?浅間山麓、小さな仕事場、ルノーらしき欧州車のエンジン音。そういえば松家さんが新しい本を書いていたことを思い出した。

2013年3月18日
「火山のふもとで」半分を少しすぎたところ。もっと読み進めたいところであるが,夜も更けたし今夜はもう辞めておこうか,ゆっくり味わい続けたいところであるから。芳醇な味わいなどというけれど,それほど食通と言うわけではないけれど,そんな表現がぴったりな気がする。小説世界と言うものの中にすっかり安心して身を任せてしまうと言うようなことは,ほとんど皆無なことであったが、そんなことがいま起こっている。音楽とも,酒とも,天気のよい日とも、草木がもたらすものとも,ちょっとちがった,それらをごぼう抜きにして競り上がってきている時間がやってきた。