生まれて初めて、とてもしっくりする世界に出会えたような気がした。まわりにつらなる風景のやわらかさ、しごとというもののあるべき姿、いとおしく思える道具たち、そして人を好きになるということの持つ静かさなどについて。松家さんの新しい本、光の犬も良かった。やっぱり全編静かで透明で。
2013年3月20日
「火山のふもとで」を読了した。ほんとうの人生みたいだ。小説と言うのは,ほんとうの人生みたいじゃないと思っていたけれど。この小説はほんとうの人生みたいに味わい深くて,いとおしくて,静かだ。しごとと言うのはこんなふうにすべきものだし。家と言うのは,こんなふうに伝え受け継がれていくべきものだし,恋愛と言うものもこんなふうにかろやかでちいさなものでなくてはいけない。そして全編いつも鳥の声が聞こえてなくてはいけない。