ただただそこに在るひと

この自画像が好きだった。これまでのどの自画像とも違うのだった。自画像ってどうしても固くなってしまう、力が入ってしまう、ちょっとわたしえらいの、が入ってしまう。でもシャルフベックの自画像は違った。なんとも自然なのだ、なんともやさしいのだ。シャルフベックってどんな人だろう?ってずっと思ってた。今度映画がくるという。行ってこようと思う。
https://www.youtube.com/watch?v=cep9njFo7-Q

2015年7月24日
「ヘレン・シャルフベック 魂のまなざし」展に行ってきた。自画像を描き続けてきた人。「黒い背景の自画像」は飛び抜けていた。まっすぐ前を見て、あかい口紅と、まるいブローチと、すっとしたシャツがとてもおしゃれで。幼少期のけが、大きな失恋、不幸な人生だったかもしれない、でも絶望していない「 負けないわっ!」とも言っていない。ただただそこに在るひと。とても静かな世界。「快復期」もいい、おんなの子の目と小枝の新芽のすがすがしいこと!。7月26日まで、東京藝術大学大学美術館。