辻山さんは荻窪にある本屋さんTitleの店主である。日々こつこつとお店に立って街のこと、店のこと、本のことを考えておられる。今まで2度お店を訪ねようとして辿り着けないでいる。別に難しいところではないのだけれど。今度こそTitleにお訪ねしたい。
そうした店がなくなるとは、そこに灯っていた街の光、ほのかな温かさまでもが失われてしまうことでもある。そしてその温もりは、ほかの何かで代わりにできるというものでもない。p.42
派手に勝たなくとも、変わることなく長く続けたい・・・。今日はうまくいかなくても明日こそはと思うとき、人は遠くにかすかな虹を見ている。p.123
自分に一度蒔かれた種は、たとえ時が経っても消える時はない。そのことはあなたの体が一番よく覚えている。これからは少しづつ昔の自分に戻っていくのかな・・・。p.126
わからないことばを使う必要はないし、自分の向かない場所に無理して行く必要なない。ちょっとくらいぼんやりしているほうが、しぶとい感じで長持ちする。p.194
誰かの真似ではなく、その人らしく語られたものであれば、人は自然とその声に耳を傾けるようになる。p.235
「小さな声、光る棚 新刊書店Titleの日常」辻山良雄著