だれもが命の輝きにあふれ、

誰にとってもこういう街や、こういう時間はあったのだと思う。

20年6月7日
きょうが初日なのに、初日からとってもいいのだった。すっかりパリの街をふらふら歩いてる。表紙の装丁のかわいいこと!
その夜のポリーには、イタリア人にアルゼンチン人に、ドイツ人、中国人、アメリカ人とイギリス人が集い、だれもが命の輝きにあふれ、パリにいる喜びに酔っていた。ビールをすすり、煙草をすいながら、これからの旅や作りたい映画、書きたい本について話した。全員の瞳の中に夢のようなものが輝いていた。・・・・パリのような場所では、夢が空中に充満し、あらゆる通りをふさぎ、居心地のいいカフェのテーブルを占拠している。詩人、作家、モデル、デザイナー、画家、彫刻家、俳優、監督、恋人たち、現実から逃げてきた者たちが、この「光の街」に大挙して押しよせる。p.100  
シェイクスピア&カンパニー書店の優しき日々 ジェレミー・マーサー