大切なことは小さな声で語られる

トリノの街が取り立てて美しく描かれているわけではない。少年と娼婦とのこと、母親とビストロの店主とのこと、どれもが控えめでささやかなものだった。それでも親子は間違いなく新しい街トリノで生き始めていく。そのささやかさ、ひかえめさが二人をじんわりと元気にしていく。大切なことは小さな声で語られるそんな映画だった。マルゲリータ・ブイの素敵なこと。