どうしてこんなに豊かなんだろう

  • ゴールデンウィーク、「松江日乗」冬營舎 イノハラカズエ著を読んでいた。松江の小さな古本屋さんの日常を描いた日記集。ひたすら静かな淡々とした日々。それなのにどうしてこんなに豊かなんだろう。松江の街、本、とびきりの人々。
    二〇一八年五月十八日(金)どしゃ降りの雨
    市役所の方がいらして、町づくりのヒアリング。できればこの町をこのままそっとしておいてほしいのが本音だけれど、きっとそうはいかない。いつか、好きだった松江の町でなくなってしまう日がくるだろう。それはよそ者の身勝手な思いだとわかっているのだけれど。
    二〇一九年六月二日(日)晴れ
    お若いのに、臼井吉見河盛好蔵編の「生活の本」という渋くて素敵な随筆全集を買われる。