幸福な土曜日

恩地展のあと、未来食堂が近くだと思い出したので寄ってみた。きたくてきたくて仕方なかったところだ。店主のせかいさんはとっても無愛想な人だっだ、ぼくが入って行ってもしばらくは本を読みふけっていた「変わる力」未来の食堂だからそのシステムがよく分からない、とりあえず晩酌セットを頼んだ、生姜焼き定食とビール、ごはんがお櫃で出てくる。味噌汁はぶりのアラ、ぼくの最も苦手とするところだ、えいやっと思い切って飲んでみた、はじめは辛かった、でもうまみがある!そのうちお客も増えてシステムの一端も読めてきた。持ち込み可、その半分をお店に寄付することになっている、それを同席したみんなで分けるのだ、これがいい、ぼくも秋田のお酒とクッキーとコーヒーを頂いた。一瞬にしてみんな友だちになってしまう。ぶりのアラが出たとき、さっさと食べて出ようと思った。でもだんだん離れがたくなってきた。無愛想な店主はまた本を読んでいる。壁には、カルビーノ「見えない都市」ひとことで言って、手あかにまみれていない母さんの店だ、コミュニティという言葉をようやく噛み砕いて僕たちの前に差し出してくれるひとが現れた。皆でひとつお櫃のごはんを食べようよ!せかいさんの未来食堂めちゃくちゃ変わってる。ぼくがなじみになる食堂は、ビストロのような、リストランテのような、バールのような店だと思ってた。でも探していたのは未来食堂のような店だったのかもしれない。 野暮ったくて、野暮ったくて、でもこれがほんとうの粋なのかもしれない、 考えて考えて考え抜かれている。ようやくこの国にもこんな若い人が出てきたのだ、恩地孝四郎さん、小林せかいさんに出会えた幸福な土曜日だった。おもしろいなぁ!
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