もし善行堂がパリにあったら

今回の京都では百万遍の古本屋さん善行堂の山本さんとお話できた。ガラガラと引き戸を引いて入っていったら、とても暖かい空気が流れてきたのだけれど、それは帳場の横のターンテーブルでレコードが回っていたからだった。その音は40年前にこの辺りのジャズ喫茶に流れていたふくよかな音で、あの時代が生きていた。小さな店内を見回していたら、いいなと思う絵葉書があったので、これは?って山本さんに聞いたら、もし善行堂がパリにあったらこんな風かなって、もし英国の田舎にあったらこんなのかなって、知り合いの絵描きに書いてもらったということだった。多分、善行堂がパリにお店を出すことはないだろうけれど、こんな絵葉書を作って楽しんでいる山本さんっていいなと思った。