小さな町の小さな本屋さん

ようやく最終ページに辿り着いた。クリストファー・ミルン。「自分の植えた木々の中でいろいろなことがしたい」そんな夢を見る人。
わたしの心はいつも、大きく遠いものを対象にした小さい近いものに傾いてしまう、だから私は谷間の奥に住んでいる。小さな町で小さな本屋をやっている。思いきって遠くへ出かけることはめったにない。p.13
「何よりも肝心なのは、自己に忠実であれと言うことだ。」なにより肝心なのはこれだ。調和のための調和よりも。自分の足に合わない他人の靴をむりやりはいて体裁をつくることよりも、真心から信じていない時に「私は信じています」と言うことよりも。自分が発見した道について、私はただ、これが私にふさわしい道だと言っておこう。p.342
私たちはここに座って夢を見よう。私は自分の植えた木々の中でいろいろなことをする。やらなければならないことはたくさんある。だが急がなくてもいい。別の日にまたできる。小さく、のんびり、というのが私たちの住む世界。しあわせなことに私たちがそれを気に入っている理由もここにある。p.355