あっ六甲山麓、阪神間の街だ、いいなぁと思う

今でもこの国で一番好きな場所は、一番住みたい街は六甲山麓の街だ。この表紙を見ているだけで、あっ六甲山麓阪神間の街だ、いいなぁと思う。「細雪」って何がいいんだろう?よくわからないまま谷崎って、大阪って、六甲山麓っていいなと思っていたら、「「細雪」とその時代」で川本さんがその良さについてちゃんと言葉にしてくれていた、特に阪神間の町の良さについて。本や映画を街を主人公に置き換えて考えてみることが多い。「細雪」もそうだった。この本の中で川本さんは山崎正和さんと丸谷才一さんの対談集「日本の町」からこんな一節を引用している。
「考えてみると、阪神間とは女性が作った町じゃないかと思うんです。基本的に大阪の商人が住宅街として作ったわけですが、旦那は昼間ずっと大阪へ行って働いている。夜は新地あたりで遊んでるわけでしょう。ですから、あの町(芦屋から御影の町)を愉しんでいる人はといえば、女房子供なんですね。つまり「細雪」の主人公たちが、あの町(芦屋)を作ったわけですよ。」
そうか六甲山麓阪神間の町のあの柔らかさ、穏やかさは女性たちが、「細雪」の主人公たちが作った町だったからなのだ。

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