1か月遅れのお正月がやってきている

だんだんお正月が早く来るようになって、趣もなくなってきて、つまらないなぁ、なんかしっとりとして、でも華やかなお正月の世界に浸りたいなぁと思っていたら、ふと「細雪」を読もうということになった。別に「細雪」がことさらお正月を描いた作品でもないから、どうしてそんな風に思ったのかはわからない。多分、4姉妹の華やかな着物姿やゆったりとした会話がぼくの正しいお正月風景と結びついてしまったのだろう。でも結局なんだかんだ慌ただしく時間が過ぎてしまい読まずにお正月は終わってしまった。そうしたらどうしたわけかBSで「平成細雪」というのを放映するということを知ったのだけれど、どうも僕の中で平成という時代と「細雪」がうまく繋がらなくて、まぁいいかと放っておいたのだけれど、第3回、 第4回 を見る機会があって、これがとってもよくって、平成という時代に置き換えても谷崎世界というのはちっとも色褪せないのだなぁと思い、初めから見なかったことを悔いた。とっても懐かしいと思ったのは船場や芦屋や夙川や、そして帝塚山の風景がおっとりと描き出されていたことで、ここのところ世を席巻する吉本新喜劇が描く関西にもういい加減にしてくれと思っていた僕には、ああこれが大阪、ああこれが阪急沿線だととても嬉しかった。ということで今ようやく原作を読みはじめたところで、1か月遅れのお正月がやってきている。
http://www4.nhk.or.jp/P4696/