白いピケ帽

なるほど小津さんは、白いピケ帽を半ダースづつ、あつらえていたのか、同じ白いピケ帽好きでもここが違う、この夏も2回ほどピケ帽をどこかに置き忘れて大騒ぎをしてしまった。本当に好きなら半ダースほど用意しておくべきなのだが。

2014年9月9日
表紙のポートレイトがかっこいいなぁと思ったし「 ヘミングウェイの流儀」というタイトルにも魅かれて読んでみたのだが、すとんと入ってきたのは小津安二郎のことで、僕にはやっぱりヘミングウェイではなくて小津さんなのだとつくづく分かった。我を知らなきゃいけないのだなぁ。
「帽子で思い出すのは、現場でいつも白いピケの帽子を被っていた小津安二郎のことだ。・・・あのトレードマークのピケ帽は行きつけの店で毎回半ダースづつ誂えていたものだったと書いている。汚れているのを誰も見たことがないと言われた白いピケ帽は、小津映画のダンディズムそのものだった。」お洒落名人・ヘミングウェイの流儀、今村楯夫 山口淳、新潮文庫より