そして内田家の人々が。

もうひとつ「考える人」でよかったのが、ピアニストの内田光子さんのことで、光子さんがたまに日本に帰ってきてもお父さまは演奏会にほとんど出かけられたなかったそうです。それで怒った光子さんはもう二度と日本に演奏に来ないからと言うと真に受けたお父さまは恐ろしくなったのか、ようやく演奏会に来られたのですが、「演奏会が終わって、帰りのタクシーの中で母に父は言ったそうです。「何であの人が我々の娘なんだろう」って。母が「何で?どうしてですか?」と聞くと、また、「何であの人が我々の娘なんだろう」って繰り返したそうです。これが父が聞いてくれた最後の演奏会でした。」
内田光子さんが大好きになりました。そして内田家の人々が。