似ても似つかなくて夢破れたままになってしまった

本というものにもたたずまいがあるのだなぁとこの本を見ていると思う。
2020年5月4日
【7日間ブックカバーチャレンジ 03】
『The Linz Cafe』:Christopher Alexander
西村伊作に恋する前に夢中になったのがクリストファ・アレクサンダーだった。その中でもこの一冊、The Linz Cafe が好きで好きで、それ以来寝ても覚めてもリンツ・カフェ、リンツ・カフェって言っていた。そして今、何十年ぶりかで本棚から取り出して眺めていたのだけれど、結局リンツ・カフェみたいな簡素でやわらかなカフェあるいは建築は、どこにもできなくて、いつの間にか忘れ去られてしまった。カフェ・ドゥドゥはリンツ・カフェみたいなのをと思って作ったのだけれど、やはり似ても似つかなくて夢破れたままになってしまった。でもこのままじゃ、やっぱり諦めきれない、なんとかせねばだ。

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倉橋さんはもうとっくに死んじゃったけれど

今日は一日中ベッドに寝転んでこの本を読んでいた。あまり長時間本が読める方ではないのだけれど、こんなことは珍しい、海辺の別荘地でのたゆたゆような時間がただただ流れていく、あくまで静かにあくまで優雅に、時代は第三次世界大戦がひたひたと迫っているにもかかわらず。実はこの本のことを知ったのは雑誌のコラムだったのだけれど、あまりにいいので、そのコラムをもう一度読もうと思って探しているのだけれど見つからない、この本のことを取り上げてくれた人のことをもっと知りたいと思ったものだから。ちなみにアマゾンの読者評ではあまり評価は芳しくないけれど、そんなこともろともせずに倉橋さんを応援しようと思う。倉橋さんはもうとっくに死んじゃったけれど。

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「人生は待つこと」なのだ

期待や、願いや、祈りを込め直して待つということ。「人生は待つこと」なのだということを教えてくれた本なのだった。 
2020年5月2日 
ブックカバー・チャレンジ、みなさんのやり取りを見ていて、バトンが来ないといいなぁ、どうもチェーン・メールみたいで嫌だなぁと思っていたら、FB ともだちのほんまようこさんからバトンが来てしまった。逃げるわけにもいかず、どれにしようかなと本棚を探しているうちに、本の中身とはまた別の、本の表紙には表紙だけが持つ意味があるなぁと気がついて探していたら、何だか楽しくなってしまった。本の表紙にはそのたった1ページの中に、これまで何を考えてきたか、何に悩んできたか、何が楽しかったか、どんな時代を生きてきたのか、なんてことがぎゅっと詰まっているのだった。それで第1回は、鷲田清一さんの「<待つ>ということ」。この本はこの10数年のあいだ、折に触れ開いたり、眺めたり、再読したりしてきた。そうだ「人生は待つこと」なのだということを教えてくれた本なのだった。 
意のままにならないもの、偶然に翻弄されるもの、じぶんを超えたもの、じぶんの力ではどうにもならないもの、それに対してただ受身でいるしかないもの、いたずらに動くことなくただそこにじっとしているしかないもの、そういうものにふれてしまい、それでも「期待」や「希い」や「祈り」を込めなおし、幾度となくくりかえされるそれへの断念の中でもそれを手放すことなくいること、おそらくはそこに、<待つ>ということがなりたつ。p.17

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なんともかっこよかったなぁ。

ビル・カニングハムは死んでしまったけれど、なんともかっこよかったなぁ。 
2017年5月2日 
この2~3年、印象に残っているおじいさんの映画が3本ある。ファッション写真家ビル・カニンガム、ピアノ教師シーモアバーンスタイン、写真家ソール・ライター。みんなニューヨークの古ぼけたアパートにひとりで住んで好きな仕事をこつこつと続けている。3人ともとってもいいなと思うのだけれど、ソール・ライターがいちばん好きになってしまった。アトリエの床に落ちていた恋人と並んで撮った小さな写真を見てというソール・ライター。 この映画で一番好きなところだ。 
https://www.youtube.com/watch?v=zS9sgux05h8

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