「人生は待つこと」なのだ

期待や、願いや、祈りを込め直して待つということ。「人生は待つこと」なのだということを教えてくれた本なのだった。 
2020年5月2日 
ブックカバー・チャレンジ、みなさんのやり取りを見ていて、バトンが来ないといいなぁ、どうもチェーン・メールみたいで嫌だなぁと思っていたら、FB ともだちのほんまようこさんからバトンが来てしまった。逃げるわけにもいかず、どれにしようかなと本棚を探しているうちに、本の中身とはまた別の、本の表紙には表紙だけが持つ意味があるなぁと気がついて探していたら、何だか楽しくなってしまった。本の表紙にはそのたった1ページの中に、これまで何を考えてきたか、何に悩んできたか、何が楽しかったか、どんな時代を生きてきたのか、なんてことがぎゅっと詰まっているのだった。それで第1回は、鷲田清一さんの「<待つ>ということ」。この本はこの10数年のあいだ、折に触れ開いたり、眺めたり、再読したりしてきた。そうだ「人生は待つこと」なのだということを教えてくれた本なのだった。 
意のままにならないもの、偶然に翻弄されるもの、じぶんを超えたもの、じぶんの力ではどうにもならないもの、それに対してただ受身でいるしかないもの、いたずらに動くことなくただそこにじっとしているしかないもの、そういうものにふれてしまい、それでも「期待」や「希い」や「祈り」を込めなおし、幾度となくくりかえされるそれへの断念の中でもそれを手放すことなくいること、おそらくはそこに、<待つ>ということがなりたつ。p.17

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