いかなる場合にも絶対にあともどりしないという精神

ダンディな人、おしゃれなじいさんになりたいなと思って読んだのだけれど、そう簡単なことではないなぁ。
私はただ、このダンディズムなりおしゃれなりが、精神の価値を表すものだと言う事をここで一言注意しておけば足りるのだ。p.247
「精神にとっては、行為の修正をかんがえるということこそ、かりそめのイツワリよりもはずべきことだよ」と石川さんはきっぱりという。つまり、いかなる場合にも絶対にあともどりしないという精神である。かように石川さんの倫理はつねに定言的である。p.250
澁澤龍彦編 石川淳随筆集 より