「誰かを思う、そこに希望がある」なんていう物語を

この季節なかなかいい映画が来るから、毎年しあわせな気持ちになる。それで今年は?って思っていたら、来た来たフィンランドからアキ・カウリスマキがやって来た。もう引退すると言っていたじゃないか、でも戻って来てくれたのだよね。「誰かを思う、そこに希望がある」なんていう物語を引っ提げて。99%暗鬱で淋しくて、でも1%の小さな希望、小さな灯り。あのラストシーンの素敵なこと。それにしてもどうしてカウリスマキの映画はこんなに心を打つのだろう?秋の枯葉が舞う中を、アンサ、ホラッパ、そして犬のチャップリンがまっすぐに歩いていく後ろ姿は、希望にあふれている訳ではない、輝かしい明日が約束されている訳でもない。でも確実に歩を前に進めていく、小さな一歩を重ねていく、僕たちにはそれしかないのだよということを教えてくれる。
「こっぴどい戦争を前に、だからこそ「愛の物語」が必要だと思った」
アキ・カウリスマキ 枯れ葉パンフレットp.4
https://www.youtube.com/watch?v=eYpgp6ZPGQQ