だからビールを頼んだ

またBUNDANNに行ってビールが飲みたい、中原中也を気取って。

2015年7月3日
日本近代文学館に行った。こんなところがあるんだなぁ、素晴らしい。文学のチカラなんてと思っていたけれど、こんな時代だからこそ、文学のチカラ、文字のチカラなんだなぁと思った。そしてもうひとつ、言葉と絵たち、その連携がすばらしい。歩き回っていたらこんなことが書いてあった
「向日葵は西洋人より背が高い」 軽井沢にて、掘辰雄
「 われはうたえども やぶれかぶれ」 室生犀星
堀さんは堀さんだ,室生さんは室生さんだ。
BUNDANNのメニューに中原中也が書かれていた。だからビールを頼んだ。
渓流〈たにがは〉で冷やされたビールは、
青春のやうに悲しかつた。
峰を仰いで僕は、
泣き入るやうに飲んだ。
ビシヨビシヨに濡れて、とれさうになつてゐるレッテルも、
青春のやうに悲しかつた。
しかしみんなは、「実にいい」とばかり云つた。
僕も実は、さう云つたのだが。
中原中也 「 渓流」より