「小さくて善いもの」を追いかけ続けた伊作さん

【7日間ブックカバーチャレンジ 06】 
『綺麗な風貌 著:黒川創西村伊作の楽しき住家 著:田中修司、大正の夢の設計家 著:加藤百合』  
「小さくて善いもの」を追いかけ続けた伊作さん。建築家であり、教育者であり、服飾デザイナーであり、陶芸家でもあるのかな? でもそのどれもについても素人であり、アマチュアであって、でも僕は西村伊作はどんな専門家よりいい仕事をしたと思う。大地主の息子であったから、あるいはほんの一瞬、自由な空気が吹き抜けた大正という時代に生まれたから? 加藤百合さんの「大正の夢の設計家 西村伊作文化学院」で、加藤さんは伊作さんのことを「雰囲気」という言葉で語ろうとしている。雰囲気、こんなに漠として壊れやすくて、あやふやなものを大切にした伊作さん。駿河台の旧文化学院校舎にもうかつての雰囲気は既にない。

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