でもいったい何に復讐するのだろう?

  • 「優雅な生活が最高の復讐である」カルヴィン・トムキンズ著を読んだ。 ずっと読みたかった本だったけれど、長く手に入らなくて、ようやく改訂版を手に入れた。装丁も素敵だ。この書名がずっと気になっていた、でもいったい何に復讐するのだろう?、それで今回ようやくわかった。「優雅な生活が最高の復讐である」とはスペインの諺であること、そして「優雅に暮らすことが過酷な人生への復讐である」ということ。過酷な人生だからこそ優雅に暮らせということか。スペイン人というのは奥が深いよ。
    「人生のじぶんでこしらえた部分、非現実的なところだけが好きなんだ。たしかにいろんなことが起こる。・・・病気とか誕生とか・・死とか。それらが現実だ、どうにも手の出しようがない」。「・・・大事なのは、なにをするかではなくて、なににこころを傾けるかだと思っているから、人生のじぶんでつくりあげた部分しか、ぼくには意味が無いんだよ」。・・・ともかく、人生を悲劇的基準で測らないようにすることだ、とジェラルドは言った。p.182
    なんとかして優雅に暮らすことが過酷な人生への復讐でもあるからだ。p.236