ロバート・キャパのように、ちょっとピンボケ?と言って

この後も紆余曲折があって、今はまた箱の中に封印されてしまっている。でもやっぱり諦めきれない、今また開封する日を待っている。どうも人生最後のゴールは、にっこり笑って「ちょっとピンぼけ!」

2019年7月20日
もう物欲というようなものはない、車を手放した、自転車も手放した、テレビは壊れた、最後の砦のラジヲも近頃調子が悪い、ちっとも聞こえない、でも最後に欲しかったものがあった、ライカだ。風景の仕事をするのに、コンパクト・カメラで写真を撮ってどうする?学生時代に見つけたアメリカの学生たちが作ったポスターにこんなのがあった。
ランドスケープ・アーキテクトというのはいつも首からNikonをぶら下げている種族だと、だから僕もそうしていた。でもあんなに信じていたNikonはあえなく転落した、あんなに世界中を席巻していたNikonがこんなに早く転落するとは思わなかった。じゃ僕たちは何を持てばいいのだ、やっぱりLeicaだ、あの赤地に銀のLeicaのロゴが欲しい。ロバート・キャパのように、ちょっとピンボケ?と言って笑っていたい。でもLeicaは僕にはあまりに高かった。でももういいだろう、残された時間を生き延びるにはやっぱりライカが必要だと思った。実は中古のLeicaM8を買ったのはもう1年半も前だった。あこがれのLeicaを意気揚々と持ち帰って箱を開けた、でもすぐに箱に戻した。こんなに使いづらいカメラは僕には使えないと即座に封印した。でも少しづつ少しづつ再起の機会をうかがっていた、そしてようやくシャッターが切れるようになったのが昨日だった。もう年寄りなんだから、いくら時間がかかってもいいんだ、でも夢を諦めてはいけないということを教えてくれるのが本当のブランドだ。
あぁ~、あのあこがれの~ ほんとのライカだぜ~~、いつまでも苔むさず、ライカは僕のローリング・ストーン、ライカは僕のローリング・ストーン
https://www.youtube.com/watch?v=I7dfqDSFyA0