近年の僕にはクリスマスはそんな季節になっている

その後、サンタクロースは僕にライカを持ってきてくれることはなく、自腹で中古のM8を買うことになった。家に持ち帰って意気揚々と取り出して色々試してみた。でもすぐ元の箱に戻した。瞬時に僕には使いこなせないと悟ったのだ。それから1年半ほどM8はまた箱の中で眠ることになった。でもやっぱり諦めきれず箱から出してみた。重いなぁ、難しいなぁと文句を言いながらも、なんとか使いこなせるようにはなった。でもある日、電車の中に置き忘れてしまった。観念した。天下のライカだ、出てくるわけはない。でも出てきた。神さまはお見捨てにならなかった。ただ致命的なダメージを受けていた。修理もかなり難しいとのことだった。だからまた元の箱に戻した。それからまた2年ほどが経った。僕にはライカは縁がなかったのだろうか。あまりに不似合いだったのだろうか。そしてまたクリスマスの季節がきた。もうあまり時間は残されていないけれど、なんとかライカに負けない男になりたいと思っている。近年の僕にはクリスマスはそんな季節になっている。 

2013年12月23日
なぜかクリスマスの頃，銀座に来るといつもこの前を通る、この小さな赤い看板。で，今回は思い切って入ってみた。へぇこれがLeicaか，前から後ろから斜めから上から眺め回して手に持って、カチリとシャッターを押してみたり，ずっしりとした重み。いやぁこれは宝だ，あまり宝ものなどというものに興味はなかったけれど，ひとつだけ宝ものを手に入れることができるとしたらこれだ。サンタクロースが持って来てくれることを切に願っているが、だめだろうなぁ。