でも人間って、やせ我慢ていうのがだいじでしょ

でもいつかはブリティッシュ・グリーンのジャガーに乗りたいって、今でも思ってる。無理かっ!
佐野洋子さんが、がんに罹り自分の余命を知り、老後のために蓄えていた貯金は不要だとすべてをはたいてジャガーを買った。その滑らかな白い革張りのシートに身をあずけて彼女はしみじみ思ったそうだ。「ああ自分の生涯を通じても、このジャガーのシートのように自分を包み込んでくれる男はいなかった」と。

2011年12月7日
この事務所は土間コンクリート仕上げなしで、そのままむき出し、前は全面一枚ガラス、天井を外しているから吹き抜け状態、そのうえ暖房器具は小さなディロンギが2台という極寒の地であって、寒いのなんのって、まだ12月になったばかりだというのに、春が恋しくて恋しくて
でも英国人はブリティッシュ・グリーンの2座席のスポーツカーに雨の日でも幌をつけずに走るんだって、という話しが忘れられなくて、別にぼくは英国人でもなんでもないのだから、それにここは、さびれかけているシャッター商店街の一区画であって、ブリティッシュ・グリーンのジャガーでもなんでもないのだから、真似する必要なんてちっともないのだけれど、でも人間って、やせ我慢ていうのがだいじでしょ
おおさぶっ!凍ってしまうぅ!