読んでおかなきゃだめだと言うことであった。

先日の庭木の手入れについて、おしかりの電話を受けて、お話を伺いにそしてお詫びに行ってきた。

こういったことというと、どうしても足が重くなるのだけれど、で現場についた、さまざまな不始末の顛末をお聞きして、年明けにもやり直したい旨、申し入れて、受け入れて頂いた。

今日の本旨はそんなことであったのであるが、お庭のブルーベリーがあまりにのびやかで紅葉が美しくて、いいですねぇブルーベリーと言うようなお話をして、よく見るとその隣のカシワバアジサイの紫がかった紅葉も、これまたよくて、今年の木々の紅葉の話になり、おしかりの時間はすっかり、秋のお庭談義、のどやかな時間に変わってしまったものだから、お庭のしごとというのはなんだか苦境であっても、いつだって植物たちが助けてくれるのだから。

そんなわけで、こころの重しもとれて、今日はどこに寄り道しようかと思ったのだけれど、表参道の青山ブックセンターと言うことになった。

最近は本屋に寄っても、いくつか吸い寄せられても、厳しく一冊に絞り込もうとするのだけれど、ロベール・ドアノーの『不完全なレンズ 回想と肖像』と、『柳総悦コレクション3・こころ』というのがお互いに一歩も譲らず、しようがないから2冊買ってしまった。

ドアノーの本は副題が『よろこびは町の中に』というほどであるから、こんなに飽きっぽい性格ながら、やっぱり町がいちばんだなぁと思ってしまう方だから、ひたすらパリを撮りつづけたドアノーってなにを考えていたんだって知りたかったし、

柳は今頃遅いのであるが、いちおうものをつくり続けたいと遅い決心をした人間にとって、それもこの日本と言う国で、となると遅すぎても何であっても、読んでおかなきゃだめだと言うことであった。