おうちのひと、お庭のひと

おうちだの、お庭だのと言い続けていた荷風さん。今こそあなたの時代です。

2012年3月4日
お庭文学というのが、あるだろうと、そんなのを探してきては読んでいるのだけれど、持田叙子さんの「荷風へ、ようこそ」は、従来荷風と言えば、散歩のひと、街歩きのひと、ばかりが喧伝されているが、実は、おうちのひと、お庭のひとではなかったかと言うようなこと書いていて、そうだそうだと強い味方を得たようで嬉しい。時代がだんだん勇ましく、凶暴になって行く時代において、おうちだの、お庭だのと言いつづけた荷風さん、モネの「ジヴェルニーの睡蓮」の装幀に喜んでおられるだろうなぁ。