苺を御飯として食べるような人

百合子さんってまさにこういう人だなぁ。
「初夏の朝、山盛りの路地苺に白砂糖をかけた大丼を膝に置いた奥さんが、一階への階段の途中に、ぼんやりと腰かけていた。「これ、あたしの御飯」はれぼったい声で笑った。そのとき私は思った。決然と思ったので、いまでも覚えている。将来、苺を御飯として食べるような人にならなくちゃー。」絵葉書のように 武田百合子 p.229