どれもが控えめでささやかなものだった

もうストーリーはすっかり忘れてしまった。「はじまりの街」なんだかいいタイトルだ。僕たちに寄り添ってくれる街という感じがする。僕たちはちっとも寄り添ってくれない街に住んでいる。これはやっぱりイタリア映画だなぁと思った。

2017年11月23日
トリノの街が取り立てて美しく描かれているわけではない。少年と娼婦とのこと、母親とビストロの店主とのこと、どれもが控えめでささやかなものだった。それでも親子は間違いなく新しい街トリノで生き始めていく。そのささやかさ、ひかえめさが二人をじんわりと元気にしていく。大切なことは小さな声で語られる、そんな映画だった。マルゲリータ・ブイの素敵なこと。
https://www.youtube.com/watch?v=W8KF-u-gN8k&t=8s