もっともっと等身大のこころざしの高い開発があっても

最近僕は、多摩ニュータウンという街に誇りが持てなくなってきている。あまりに乱暴なことがまかり通っている。北加賀谷のささやかな水辺再開発を見てきて、この街を生んだ大阪で生まれ育ったことを誇りに思う。

2019年10月8日
今回一番期待していたのが北加賀屋地区の動きだった。そして期待は裏切られなかった。かつての造船所に案内された。製図室という札のかかった広い部屋に案内されてびっくりした。製図台がずらっと並んでいるのかなと思っていたら、船の図面がそれも原寸図面が描かれていたのは床だった。船の原寸図面が大きな部屋全体に広がっていてその痕跡が残っているのに驚いた。そんな近代化産業遺産の保全活動を街の小さな不動産屋さんがコツコツとやっている。ウォーターフロント開発というと、キラキラと華やかでおしゃれでそんなイメージを持っていた。でも北加賀屋で見たのはそんな水辺の再開発じゃなかった。再開発というと、ディベロッパーというと大きくて華やかで、でももうそろそろそんなんじゃないだろう。もっともっと等身大のこころざしの高い開発があってもいいだろう、そんな水辺づくりに町の小さな不動産屋さんが取り組んでいるのがうれしかった。そしてそんな街の不動産屋さんと森村 泰昌が仲良く一緒にやっているのもいいなと思った。