何を言ってんのやらというような

ふむふむととりあえず読み終えて、いいような悪いような分かったような分からないようなで、しばらく放っておいて、又初めのページから線を引いたところを読み返してみると、う~んと唸ってしまうのだった。吉田さんのこの人を唸らせる術というのか文体というのか。切れ味鋭いとか単純明快というのではなくて、何を言ってんのやらというような、うだうだしているのだけれど、でもそのうだうだが味わい深く生きて行くことを教えてくれる。
「ただ一つのことに向かってしか頭が働かないのは不自然な状態であって我々は何をするにも、又何もしているのでなくても我々自身であることに無理がないことが他の凡てのことに先行する。」吉田健一著 変化 p.213

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