そんなことに気がついた今年はいい年なのかもしれません

遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。今日からいよいよ仕事です。といっても大掃除からかな。年末ギリギリまで年賀状書きをしていましたから、大掃除は新年に押し出されることとなります。その前に一番ご挨拶が遅くなってしまったSNS 上の皆さんへのご挨拶です。初夢も見ませんでしたし、 夢を見るには年をとりすぎたのかもしれません。 今年は何をするのかな? これも取り立てて思い浮かびません。夢もない抱負もない、これが年をとるということかなとも思います。で、去年は何をしたのかなと考えてみたのですが取り立てて思い浮かぶこともなく、でも一つだけふと思いついたのが谷崎潤一郎の「細雪」でした。去年のお正月は、何かお正月らしくありたいなと思い、なぜか「細雪」かなって思ったのでした。特にお正月が描かれた小説ではないのですが、なんか雅びで晴れやかで、日本のお正月はこれかなって思ったからでした。で、最近は本は装丁、モノとしての本が大切だと思っているので、重くて厚い全一巻の「細雪」を入手して読み始めたのでした。で、ぐんぐんと読み進めていたのですが、やはりこれがやたらと重くて、その重さに耐えかねて大方を読み進んだところでぴたっと止まってしまったのでした。で、一年が過ぎて、またお正月が巡ってきて、やはりお正月は「細雪」だろういうことになって、続きを読み始めましたら、これがやっぱりいいのでした。それで気がついたのです。一年かけて一冊の本を読むのっていいなぁと。そのゆっくりとした時間の流れがいいのか、ひとつの物語の中に一年間ずっと浸り続けることができる良さなのか。その理由はよくわからないのですが、そういえば銀座に数日交替で1冊だけの本を売る本屋さんがあって人気を呼んでいるというのと同じような理由かもしれません。ということで、「一年に一冊」というのはいいぞということになったのですが、じゃ、何を読むかということになりますが、実はそこではたと困ったのです。さして文学に親しんできたわけではないので、読みたい本がすらすらと出てくるわけではありません。でもそんな時に一冊だけいつも思い浮かぶ本があります。マルセル・プルースト失われた時を求めて」です。40年近く前、友人にプレゼントされて、以来ずっと本箱の奥に眠ったままになっているのですが。でもそろそろ取り出したあげる時なのかもしれません。それにしても40年間もずっと待ち続けてくれる本というのがあるのです。そんなことに気がついた今年はいい年なのかもしれません。最新の岩波文庫吉川一義訳版は全14巻、一年に一巻読んだとして14年。ひょっとして生きている間に読了できるかどうかわからないのですが、そろそろ今年あたりからはじめるのがいいのかもしれません。死んじゃってから「失われた時を求めて」なんて言ってももう遅いのですから。
https://www.youtube.com/watch?v=Z5WUO7hsgCA&index=4&list=RDEMZ6sHigtJPGfypmPTNDXPHg