生きろ、恨むな、悲しむな

木下杢太郎は好きかもしれないと思っていた人なのにもう半分忘れていた。この人は忘れちゃいけない、この本、もう一度読み直さなきゃだ。全集にまで手が届くかな?

2017年9月20日
木下杢太郎というひと、あまりよく知らないのだけれど、ひょっとして好きな人になるのかもしれないと思ってきた。でもそれ以上に深く知ることはなかった。で、ようやく木下杢太郎についての本を読んでみた。難しかった、うまく理解できなかった。だからしばらく放ってあった。でもやっぱり気になるから、またページをぱらぱらめくってみた。「それが一体何になる」という詩があった。「人の金を借りて大きな地面を買い、/それをまた人に売る仲買人の栄耀は、/それは取りたい人に取らせておけ、生から死まで/ただ自分のほんとうの楽しみの為に本を読め、/生きろ、恨むな、悲しむな。/空の上に空を建てるな。/思い煩うな。/かの昔の青い陶の器の/地の底に埋もれながら青い色でいるー/楽しめ、その陶の器の/青い「無名」、青い「沈黙」。」地の底に埋もれながら青い色って、いいなぁと思った。とても鮮やかな青だなと思った。「木下杢太郎は選集でなく、全集で読まなければならない人である。・・・・言葉の本来の意味でのcultureをかくのごとくもとめかくのごとくに身に体し得た人は希であろう。」木下杢太郎は、こんな人だったのだ。少しだけわかった。