どこがいいのかよく分からないのだけれど

柴崎友香さんの「千の扉」を読んだ。 地域や町というと平面的な広がりを持つものなのだと思ってしまうけれど、この本を読んでいると、そんな平面的な広がりが縦の軸を持っているのだなと気がつくのだった。そんな町に、実らなかったけれど昔かわいい恋をした勝男じいちゃんや、どうして結婚してしまったのか分からないけれど、でもとても仲のいい千歳さん一俊さん夫婦が、 贅沢でもない貧乏でもない淡々とした日々の生活を暮らしているのだった。柴崎さんの書く本はどこがいいのかよく分からないのだけれど、町と家と人がとても仲がいいのでまた読もうと思った。

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