良かったと思う、思いきって話して

曲がりなりにも,環境とか風景とかというようなことのまわりをうろうろ歩いている。でもなかなか、こういうことかもしれないと言う言葉に出会うことができないできたし、いまも出会えていない。でもずっと前から,このオルテガの言葉は忘れないできた。ちょっと分かりにくいし、使うのに何か覚悟のようなものがいる。だから、若い人たちの前でもこの言葉を語ることはしないできた。でも今学期は少し空気が違った。だから話してみた。良かったと思う、思いきって話して。
「 私を取り巻くこの現実の領域は、私という人間の他の半身なのだ! この領域を通してのみ、私は私自身を完全なものとし、全面的に私自身になる事ができる。」
このような文脈において、
「 私とは、私と私の環境である。私がもし私の環境を救わなければ、私自身は救われない事になる。」が言われたのである。
                 「ドン・キホーテをめぐる省察オルテガ・イ・ガセット