「生きて、生きて」と言う

映画「風立ちぬ」を見た。宮崎さんが言いたかったのは、「風が起きた、生きることを試みねばならない」という事なんだなぁと思った。これはどうも堀辰雄訳の「風立ちぬ、いざ生きめやも」とはちがうのだなぁという事に気がついた。それでいろいろ調べてみたら、堀訳は「生きるのかなあ。いや、生きないよなあ」というニュアンスだという。これは誤訳だという人もいる。ずっと堀訳に親しみをもって来たのだけれど。でも、宮崎さんはそれをあえて覆そうとしたのかもしれない。映画「風立ちぬ」の最後は「生きて、生きて」と言う。「きみは生きねばならぬ」を言う。いま宮崎さんが言いたかったのはただその事だけだったのだと思う。
http://www.youtube.com/watch?v=hO7dnp2f4p4