そのひとそのものがユーモアのひと

小実昌さんの人生は、映画とバスと旅とお酒とポケットに突っ込まれていた哲学書でできていた。そして旅先の居候先でぽつんと死んだ。なんともひょうひょうとした人生だ。
「ときにはジョークをまじえ、なんていうのは大ウソだ。ユーモアやジョークは、 つけたしでできるものではない。ちょうど、禅のように、そのひとそのものがユーモアのひと、ジョークのひとでなくちゃ、ユーモアやジョークはでてこない。」p.190 「バスにのって」田中小実昌