もう諦めていたのに

むかし京都、三条蹴上にcarco30という喫茶店があった。主人は京大のLだという噂だった、女主人は藤田嗣治が描く女性のような人だった、丸い大きな木のテーブルの上には大きな花束がいつも活けてあった、窓からはいつも西日が射していていつも古いジャズが流れていた。でもいつの間にかなくなっていた。以来、carco30の噂は聞かない。50年近く経ってこの間、西荻窪に同じ匂いのする店を見つけた。juhaという。アキ・カウリスマキの映画のタイトルなのだという。もう諦めていたのに。人生、2度目のコンニチワ!こそ大切なのだと吉本さんが言っていた。
https://www.youtube.com/watch?v=ntDnwBiORu8