嵐は感じながら嵐の中を行っておるという

イギリスの片田舎の小さな書店をめぐる話、次から次に攻め立ててくる悪意と、それらに打ちひしがれる格調と勇気と夢と。 それなのに絶望的になるのではなく、爽やかな感動に包まれるのはなぜだろう。最近読んだ「吉田健一・対談集成」にこんなのがあった。
「嵐の中を通り抜けていくイギリスの船というのは、いつでもかなり安定度のある状態で、その嵐の中を抜けていっておるのは面白いと思うのだが。つまり非常に落ち着いた形で、嵐は感じながら嵐の中を行っておるという。結局それは人間に対する非常に強い愛情という言葉で言っていいと思います」
この映画を見ていてもあるいはブレグジットに揺れるイギリスを見ていても悠然と船を進めるイギリスという国の懐の深さをを思った。ぜひ原作を読んでみたい。


https://www.youtube.com/watch?v=y5pbuzNpZUo

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