裕也さんは僕たちが支えますからと

希林さんが亡くなった。このあいだ万引き家族を見ているから、75歳だから僕より少し上だけれどほとんど同世代だという気がする。だからいよいよ僕たちの順番が来たのかなぁと思う。それに希林さんは折に触れて、死生観のようなものを語っておられたから、余計に希林さんの死というものを身近に感じる。ただ、希林さんにはただひとつ心残りがあると思う、それは一人裕也さんを残して先に逝ってしまわれたこと。だから僕たちにできることは、希林さん安心してください、裕也さんは僕たちが支えますからと言ってあげることだと思う。希林さん長い間おつかれれ様でした、ゆっくりお休みください。

死ぬときぐらい好きにさせてよ
人は必ず死ぬというのに、
長生きを叶える技術ばかりが進化して
なんとまあ死ににくい時代になったことでしょう
死を疎むことなく、死を焦ることもなく、
ひとつひとつの欲を手放して、
身仕舞いをしていきたいと思うのです。
人は死ねば宇宙の塵芥。せめて美しく輝く塵になりたい。
それが、私の最後の欲なのです。

希林さん自身の人生の最期には、裕也さんが歌う『朝日のあたる家』を聴いて逝(い)きたいという。
「最期ぐらいは花を持たせてあげないと、怒るだろうと思って。まぁ、歌自体がいい歌だしね。私が先にボケると信じてるので、もし、裕也さんが最期に駆けつけてくれたら、“まぁ、ご親切にしていただいて。……ところでおたくどちらさま?”と言って死ぬのが理想なんですよ。ただ、本当は向こうが先に逝かないとあとが困るかなぁという心配もあるんですけどね。向こうは向こうで“おまえ、ハンコのあり場所だけはちゃんとしとけよ”って言ってるから、自分のほうが長く生きるつもりらしいですよ」
https://www.youtube.com/watch?v=H6LCNRlnK2o