地表に軽く触れるにとどめることだ

「没道徳性」だの、「技芸からの徹底した逸脱」だの、野原のことをこんな風に語った人はいるかって思いました。そして続きます。「庭仕事を放棄して 地表に軽く触れるにとどめることだ」なんて。恵泉のmeadow garden を歩いていて、なるほど、これが「地表に軽く触れるにとどめることだ」と思ったのでした。
「「野原」はわたしが最も重要だと考える成果のひとつになっている。意図を定めていないこと、ほとんど具体的でないことで、まるでひとつの知の構成全体が反映されたかのようだ。それは自然とともに働くという基本方針の直接的な適用であるばかりか、さらにには高い水準での没道徳性、栽培という技芸からの徹底した逸脱、そして遊びでもある。・・・そこで考えていたのは、空間や眺望、形、色彩や生物のリズムを全面的に制御するのとは逆に、庭仕事を放棄してしまって、地表に軽く触れるにとどめることだ。」動いている庭・ジル・クレマン、みずず書房