八幡堀を小舟に揺られて

近江八幡の八幡堀を小舟に揺られて上り下りしていると「ゆっくりすすむ」ということがどれほどいいことか、たいせつなことかが分かってくる。たぶんこれからは、どれだけ「ゆっくりか」が問われてくるのだと思う。ずいぶん前に読んだ武満徹の「沈黙と測りあえるほどに」のなかに、「世界はいつだって私たちに早く進めとせかせてくる、でも私たちはそんなちからと断固戦わなければならぬ」そんな意味合いのことが書いてあった。八幡堀の小舟に乗っていて武満さんを思い出した。