だからあまり思い詰めないで

さぁ、古井さんだ、と意気込んで読みはじめた。でもこれが一筋縄ではいかない、とにかく淡々としているのだ、すべてにおいて地味なのだ、もう少しなんかこう華がないかなぁと思うのだけれど、だってこうなのだ「 人の強さは辛抱できるかどうかではなく、情けの薄さに耐えられるかどうかが肝心なんです」そんなこと言わないでお願いだからというような事をすらっと書かれるのだ。でもそうなんだよ、いやがっていたってしようがない、だからあまり思い詰めないで、ぼちぼち行きましょうよ、万事その調子なのだ。1937年生まれ、僕より一回り上だ。大人だなぁ。