「顔で決める」

「最近では、考えることもやめて、自分は漱石の顔がただ嫌いなだけなんだ、と思おうとしている。鴎外の顔はいいなぁ。太宰の顔はいやだなぁ。顔で決める。」
こんなこと、こんなにきっぱり言っていいのか。でも辻原さんなら許されるのだと思う。「顔で決める」そうなんだ。
短いフレーズに辻原さんが見えてくる。ところで「熊野でプルーストを読む」同じくこのきっぱりしたもの言いに残りの人生が揺れた。「多摩でプルーストを読む」
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