一生の付き合いになりそうだ

柳宗悦コレクション3 こころ』ちくま学芸文庫、いよいよ佳境にはいってきた。柳さん、チカラがはいっている。「近代藝術とはなにか、畢竟自由さの追求なのである。クラシックの拘束を打破して、新様式を求めるのは、もっと自由になりたいからである。・・・・・要するに歴史とは自由追求史と言ってよい。またそこに意義がある。そうして美とは自由がかたちをとったもので、それを「藝術」と呼ぶのである。それゆえ自由を去った藝術はない。そうしてその自由は「入不二」を去ってはない。だから美を詮ずるに「不二美」なのである。「不二」に入ってのみ、人間は無碍たる事ができる。無碍が自在であり、美は無碍美に外ならぬ。それは永久の解放を意味する。詩の美しさは、人間の言葉の解放と言ってよい。言葉の自由、否、言葉が自由に即したのが、詩だとも言える。その韻律性、旋律性は、工藝品の模様性抽象性とに似ている。同じ法則が裏に働いているのである。」難しい「不二」ってなんだ?、「無碍」ってなんだ?、なんだか柳ってすごい、西欧の美学ではない、ぼくたちの美学、わからないままに読みすすんできてよかった、278~279頁、青山ブックセンターで、ふらふら引き寄せられていった柳宗悦、一生の付き合いになりそうだ。
柳宗悦コレクション(3) こころ (ちくま学芸文庫) [ 柳宗悦 ]