欧州のお百姓が着るような洋服

もう長くても10年とか20年とかだから
もっと短いかもしれない

だから、なんだと言う事なのだが
ふと、佐野洋子さんが死期の告知を受けたとき
緑色のジャガーを買ったという話しを思い出した

とってもよく分かって、でもとてもジャガーなどと思うし、それでその話しはしばらく眠っていたのだが、近頃また、残りの人生、やっぱり楽しく生きたいなぁとの思いがまたむくむくと、このあいだ、ようやく気に入りの郵便屋さん肩にかけるのような鞄を見付けて以来わいてきた

前に恵比寿の町をふらふら歩いていたら、古ぼけたビルの4階になんとも簡素な洋服屋さんがあって、あぁいいなぁ、こんな洋服屋があるのだなぁ、またこようと思ったのであるが、基本的に小さな目立たない洋服屋さんであるから、もう一度行ってみようとweb site の検索をしても見つからず、で、きのう久しぶりに恵比寿に行ったから、あっちにこっちにさがしてみたら、あったあった

なつかしくて簡素な洋服をつくりたいということで、欧州のお百姓が着るような洋服で、まぁお百姓のようなしごとであるから、仕事着としてもいいなぁ、もうこれからはここの洋服に決めようと思った

人生と言うのは、それほど難しいものではなくて、洋子さんにとって最後に出会った宝ものは緑のジャガーで、ぼくにとっては、恵比寿の洋服屋がつくるなつかしくて簡素な洋服なのだ