大好きだった本ちゃんがいなくなっても

七夕の日は本ちゃんの一周忌で小田原まで行ってきた。本ちゃんの奥さんは、本ちゃんが亡くなってから小田原の海の近くに引っ越していった。だからその日は七夕の日で、一周忌の日で、新居のお披露目の日でもあった。みんなが持ち寄った美味しいものや美味しいお酒がたくさんあったので、ちょっと飲み過ぎてしまって、海岸まで歩いていって寝転んでいたら、ついうつらうつらしてしまった。それがあんまり気持ちが良かったから、本ちゃんの奥さんがここに越してきた訳がわかった。大好きだった本ちゃんがいなくなっても海があれば、と思ったのかなと思った。青のユーノス・ロード・スターを駆って僕の横を手を振って通り過ぎて行ったのを見たのが本ちゃんを見た最後だった。なんてかっこいいんだろうって思った。それから半年ほどして本ちゃんは亡くなってしまった。