水を眺めてるいつまでもいつまでも

夕方、御所あたりから賀茂川沿いを歩いた、とにかく歩きくたびれるまでって。これまで橋の上から、賀茂川を見ることがあっても沿って歩くことがなかった。ここのところぼんやり思っていた。京都は賀茂川だよなって。町家もお寺もお庭も、みんなみんな宝ものだけれど、なんといったって賀茂川なんだ。元を正せば平安人が、なんて水が豊かな所なんだろう、こんな豊かな水があれば、夏の暑さだって凌げるだろうってところから始まって、この町ができたんだから当たり前と言えば当たり前だ。でもあんまりみんな賀茂川のこと話さないような気がする。夕方ぽつぽつと歩いていると、河原で遊んでいたリ,話し込んでいたり、本を読んでいたりするのは大方が外国人だった。やっぱり京都は賀茂川なんだ。それでようやく4条あたりまで来ると河床に灯りが灯いていた。
いちどあそこで夕涼みをと思うけれど入ってみようとは思わない、ぼくの賀茂川の楽しみ方は、やっぱり河川敷に二人づつ一定間隔に並んで腰を下ろして水を眺めてるいつまでもいつまでも、かなって思う。ところで賀茂川高瀬川に分流する所はあんな風になっていたとは、あそこもとても風流だ。風流って、風と流、なるほどと納得する賀茂川散歩だった。