朝からお弁当を持ってここに来て

江戸の御薬園のことが気になっていたので小石川植物園に行ってきた。すっかり前にも行ったことがあると思っていたのだけれど初めてだった。仮にもこんな商売をしているのにこんな不実なことはない。東京にもこんな場所があったのだ。最近とみに思うのは,大学という場所のたいせつさ。いまや東京で大きな木々が悠々と枝をのばしているのは大学のキャンパスくらいしかない。反知性主義という言葉をよく聞く。知性なんて理性なんて,ということらしい。ここにはそんな乱暴に負けない穏やかなチカラがある。しあわせな老後というのがあるとするならば,お天気のいい日には朝からお弁当を持ってここに来て、もういちどきちんと草木たちと向き合うことだと思う。それにしても本を読む柴田桂太センセイがかっこいい。