知らん顔しておじいさん

柚木沙弥郎展に行ってきた。別に懇意にしているわけではないのだけれど、〜〜さんと親しく呼びかけたくなる人がいる。沙弥郎さんもそんな人だ。デザイナーでもなく、アーティストでもなく、職人でもなく、思想家でもなく、教育者でもなく、おじいさんのようでもなく、子供のようでもなく、でもその全部のような人だ。みんなそのどれか一つを選んで立派な人になってしまうけれど、沙弥郎さんはそんなことに知らん顔しておじいさんになった人だなと思う。


そこでようやく気がついた

北イタリアの避暑地の邸での一夏の恋の物語。考古学の研究者を目指す24歳のアメリカ人青年と音楽と読書を愛する17歳のイタリア人少年。画面がひたすら美しい。少年が弾くピアノ、田舎道を走る自転車、水浴する沼。でもどこか入り込めないでいた。しかし映画も終盤に差し掛かる頃、ずっと控えめでいた少年の両親が俄然存在感を増す。母親はその優しさにおいて、父親はその思慮深さにおいて。そこでようやく気がついた、この映画は親子の物語であり家族の物語なんだと。時折姿を現わす音楽や古代の彫刻が物語に奥行きを添える。少年の弾くバッハがなんともかっこいい!
https://www.youtube.com/watch?v=kRfoIKjwHvQ
https://www.youtube.com/watch?v=jIwkNognPuw

さぁこれからどうする?

ずっと眠っていた石を起こしてあげて、さぁこれからどうする?というところなんだけれど、前にもこういうことがあって、この石を目覚めさせるということは仲々楽しいことだと分かってる。ただ石というものは本来、生きているとか死んでいるとかそんなことに関心がないものだから、生きているとか死んでいるとかばかり気にしている僕たちにはなんだかとても浮世離れしている。