現代詩の詩人の吉増剛造さんが京都の水を、京都の庭をめぐるというので恐る恐る見てみた。終始映画の中に入り込めたわけではない、共振し続けたわけではない。でも詩というものが生まれる場に立ち会えたこと、難渋だと思っていた吉増さんがとてもやわらかなひとだと分かったこと。ずっと考え続けてようやく分かった。この映画の主人公は、水なんだ、京都の水なんだって分かったら、全てが腑に落ちた。「幻を見るひと・京都の吉増剛造」のパンフレットにあった「琵琶湖の8割という豊富な地下水をたたえた京都はヴェネチツィアに比すべき水の都だ」と。水都としての東京も大阪も失われてしまった今、京都は水の都なんだって。
https://www.youtube.com/watch?v=2R2KjVQNvGo